語り継がれる披露宴コンサート

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      ●クオリティの高い演奏を楽しむ●


      夫となる人はもともとバンドをやっていたので、ある程度の予想はついていたのですが、私たちの披露宴は、まるでライブコンサートのようなものとなりました。新郎側の友人が次から次へと自らのオリジナル曲や、結婚式に相応しい名曲を披露していくのです。ギター1本で演奏をする人や、アカペラのコーラスグループ、ドラムやキーボードなどの機材を持ち込んでの迫力の演奏に、しっとりとしたピアノの弾き語りもありました。私たちの結婚を披露する場なのか、それとも彼らの演奏を披露する場なのか、正直いって分からなくもなりましたが、新郎である彼はもちろん、私も音楽が好きでしたし、なかにはプロとして活躍している人もいて、それなりにクオリティの高い音楽を楽しめたことは非常に良かったと思っています。
      そんな彼らに刺激されたのか、親戚や私の友人たちもカラオケに気合が入り、熱唱しては自ら涙ぐむ人も続出。会場が一体となって合唱したり踊ったりと、新郎側に決して負けてはいませんでした。

      ●出席者の涙を誘った感動の曲●


      しかし、なかでも印象的だったのは、やっぱり新郎である彼の高校時代からの親友が歌ってくれた曲。もちろん、私も昔からよく知っている人なのですが、現役時代は深夜TVの有名オーディション番組に出演したほどの実力者。周囲の期待をあっさりと裏切って、大学卒業と同時に音楽から足を洗い、ごく普通の企業に就職していた彼が、久しぶりに「入魂で作りました」というだけあって、その曲が歌われている間は、会場のそこいら中からすすり泣きの声が聞こえるくらいでした。

        新郎である彼も、もちろん私も涙をこぼしてしまい、演奏終了後にはアンコールがかかる始末。年配の親戚にも感動を与えたようで、ハンカチを目に当てている人も多く、音楽の力ってすごいな、なんてすっかり感心してしまいました。

        ●大トリは新郎による思い出の曲●


        もちろん、新郎も黙ってはいませんでした。彼も昔はボーカルだったので、歌いたくてうずうずしていたのでしょう。昔の仲間と一緒に、アコースティックなバンドを組んで、ビートルズの「恋に落ちたら」を歌いました。これは、私と彼がはじめてデートした喫茶店で流れていたもので、私が「この歌って?」と聞いたら、熱心に解説をしてくれたという思い出の曲。そんなことをちゃんと覚えていてくれたんだなと思うと、少し胸が熱くなってしまいました。そして、その「披露宴コンサート」の大トリを飾ったのは、新郎と、先に感動的な歌を披露してくれた彼の親友の二人によるジョン・レノンの「ジェラスガイ」という曲でした。もちろん、私の一番大好きな曲でした。タキシード姿で私の目を見つめながら歌う彼の姿は、なんとなくディナーショーみたいだったけど、いろいろなことが思い出されて、それなりに感動しました。
        私の友人や親戚の間では、今でも話題に上る、「披露宴コンサート」。あれから15年。すっかり中年になってしまった夫の姿を見ながら、「あのころは格好よかったのに…」なんて思ってしまう今日このころです。
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